ねぇ、笑って

「ふむ。こちらからも情報は得られず、ね」


ポツリ、と修斗は呟く。


「え、何か言った?武井君」


修斗の呟きは小さすぎて愛には聞こえなかったが、真実には聞こえたらしい。


「シュウ、まさかあんた...」


「何でもないよ、少しもどかしいなって思っただけ」


「...?」


愛には全く話が読めない。


「ごめん、愛。今日シュウと昼食べる約束してたんだった。今日は他の子とお昼食べてくれる?」

唐突に話題を変える真実に、戸惑いを覚えつつ愛は頷いた。


2人の邪魔はしたくなかった。


「真実...」


少し驚いた目で真実を見る修斗。


「そうだったよね、シュウ?」


強い眼差しで修斗を見つめる真実に、修斗は小さく息をついて微笑んだ。


「うん、楽しみにしてる」