ねぇ、笑って

心配させてる上に謝らせたなんて。


愛は真実に対する罪悪感に苛まれながら、ふとあれは夢か幻だったんじゃないかと思った。


それくらいあの後の瞬はこの3ヶ月間と同じように愛を無視していた。


久しぶりにちゃんと顔見たと思ったのに。


そう思って気がついた。


愛が瞬をちゃんと視界に入れたのも、3ヶ月ぶりだったのだ。


「愛----!!ご飯よ---!!」


母の1階からの叫び声に、愛の思考は叩き切られた。


――――――やばっ!!
着替えてない!!


ご飯の時まで制服でいたとなると母の地雷を確実に踏む。


愛は慌ただしく部屋着に着替え、制服をハンガーに掛けてから大急ぎで1階への階段を駆け下りた。


いつの間にか瞬のことは意識からとんでいた。