瞬だ。


瞬がこちらを見ている。


茶髪の巻き髪はいつの間にか自分のクラスへ帰っていたらしい。


瞬の視線に捕らわれて、身動きがとれない。


心臓が意に反して早鐘を打つ。


視線を外すことなんてできない。


どうして。


あれから今までずっと、私の方なんか見向きもしなかったくせに。


そんなに近くにいるわけでもないのに、愛は、瞬の瞳が揺れたのを感じたような気がした。


何か伝えたいことがある時の、瞬の癖のようなものだった。