痛いくらいの視線が後ろから刺さる。


真実が心配しているのが伝わってきて、愛は申し訳ない気持ちで一杯だった。


いっそ、全てを打ち明けてしまおうか。


そんな思いが愛の脳裏を掠めたが、やっぱりダメだと打ち消した。


まだ気持ちの整理がつかない内に話したら、泣いてしまいそうだった。


泣いてしまったら、何かを認めてしまうようで。


高野君は苦手な人。


まるで言い聞かせるように心の中で呟いて、愛はふと顔を上げた。


廊下の方から視線を感じたのだ。


そして見上げた瞬間、愛は音もなく凍りついた。