Genius~守り人~

「…はい…」


來はそう答えると机の上で重ねた自分の手に視線を落とす。

―…私の力…か………
…また私の力で犠牲が出る……
それを無くすためにここへ来たのに……




「襲撃の合図は小型無線機にて。」


そんな來をよそに列火は話を続ける。

「…ここまででご質問はありますか?」

「あの…大会ってトーナメント形式ですよね?もし私たち同士があたったらどうするべきですか?」

草火が尋ねる。

「その場合は來に譲る。それまでに敗退していた場合は草火だ。」

「はい。」

草火と清洋の声が揃う。

しかし清洋は不服そうな表情をする。

―なぜアイツに負けねばならない。しかも草火にも負けねばならないとは…
女のクセに

「なんだ清洋、何か不満でも?」


「おおかた予想はつく。『なぜ女・子どもの草火や來に負けねばならないのか』だろう。」

「全く、今時そのような考えをもっているとは…」

向かい合って座る3人の男が清洋に冷ややかな視線を送る。