Genius~守り人~

「では、これを」


列火が手元のパネルで操作をすると、先ほど來と草火が入ってきた扉の横に設置されたスクリーンに一枚の紙が写し出される。


「コレは…」


バンッ


「すみません、清洋ただいま参りました。」


列火が説明を始めようとした時、大きな音を立てて汗だくの清洋が飛び込んできた。

「清洋、会議に遅れるとは何事だ。」


「もう少し静かに入ってこれないのか。」


年配の幹部が鋭い視線を向ける。


「すみません、これには事情が…」


「言い訳は良い。さっさと座れ。」


「…はい。」


そう言われ清洋はすごすごと空いた席に座った。


「あら、意外と早かったわね。」


座りかけに草火が呟く。


「お前らよくも置き去りにしてくれたな。」


声を荒げる清洋


「別に置き去りにした訳では無いわよ。ちゃんと忠告もしたし、声もかけたわよ。」

「あなたが階段から落ちるのが悪いんですよ。」


「……」


再び溜め息が漏れる。


「お前ら…っ。まさか私を落とし入れ…」


「それはないです。あなたにそんな事して何か得するコトあるのですか?被害妄想しないで下さい。」


清洋に冷たい視線が全員から注がれる。