Genius~守り人~

二人は固まったままの清洋を置き去りにしたまま階段を降りていく。


「清洋くん来ないの?」


階段の途中で歩みを止めた草火が声をかける。


「ほっといても大丈夫ですよ。十年もここにいるらしいですから。」


少し先で來も足を止める。


「そうなの?なら平気ね。」


「…でもあの様子だとまたどこかにぶつかるかもしれませんね。」


「でしょう。清洋くん早くいらっしゃい。」



「いい加減にしろよ。バカにし過ぎた。」


階段の手すりまでたどり着いた清洋が怒鳴る。


「私は十年もここにいる。闇の中を歩く位できる。
それに私はお前らよりも年…」


清洋は一歩踏みだし…


ドドドドッ


きれいに階段を落ちた。



「年上だ…」


「……」

「……」

「やっぱりこうなるのね。」


來と草火は同時に溜め息をついた。