Genius~守り人~

茶色で長く立て巻きの髪と優しそうな美しい容姿。


この組織にいるような人とは思えない。


「別に一緒にいたくて居るわけでは。たまたまですよ。私はこの人がどこに行くのかは知りませんし。」


チラリと横目で清洋を見る。


「こちらも同じ意見だ。こいつがどこに行くのかは知らないが、私は御前様に呼ばれたのだ。」


清洋はわざと『御前様』を強調させる。


「そうなんですか。私も呼ばれてますけど。」


スルリと流す來。


「あら、私もよ。じゃあ今日はまた作戦会議でもするのかしら。」


「ですね。」


コツコツとヒールの音を立てながら草火は炎を消した來と歩き始める。


「あの空気は苦手だわ。」


「私もです。」


「気が合うわね。」

「そうですね。」


來は声の元を見上げる。