Genius~守り人~

「それはそちらにも言えることだ。」


「そうですか?私は別に。
私は指令なら週に何度か受けています。御前からの指令ではないですが。
それに陽に行かないのは陽での任務を拒否してるからです。」


淡々と話す來。


「陰の中の指令…それは雑用ばかりやっていると言うことか?」


清洋の言葉に微かに笑いが混じる。


「別に。何も指令を貰えないよりかはましですよ。」


「なっ…」


ふと横を歩く來の気配が立ち止まる。



バンッ


数秒後、清洋は突然飛び出してきた木の板に顔からぶつかり、


「っ……!!?」


鼻を押さえてそのままうずくまった。


「それも訓練していないという印になりますね。」


「…うっ…うるさい……」


傍らに立つ來が清洋を見下ろす。