爆風やコンクリートの破片を受け、朱雀はトンネルの入り口付近まで吹き飛ばされ、全身を強く地面に打ち付けられていた。

トンネルはほぼ崩壊し、ただ入り口と出口だけが残っている状態


ー …クッ……体が…動かない……


朱雀から來奈に姿を戻した彼女は、体中に走る激痛によりなかなか動くことができない。

それでも何とか頭を動かし、左手へと視線を巡らす。


そこにあったはずの哀哭溜の刻印は消えていた。

それは『哀哭溜』という組織の存在が消滅した、と言う証―



ー ……よかった……

これで…もう…誰も…傷付かなくて……済む…………


彼女の表情はうっすらと安堵の表情に変わる。



『南の大樹で待ってる。

お前も後で必ず来い!! 』


『死んじゃダメだよ…

絶対帰ってきて……』


氷と弥那の言葉が浮かぶ。