陰へと入った來は多くの建物があるなかで、一際高いビルへと向かっていく。

そのビルの最上階には、哀哭溜の長であり『御前』と呼ばれる者がいる。

『御前』は内裏に恨みを持つ者だけではなく、能力に秀でている者に暗示をかけ無理矢理組織に入れる等し、内裏を倒そうとしている。



+ 侵入者あり 侵入者あり +


電子音での警告音が鳴り響く。


+ 直ちに空間接続点へ集結せよ +


それを聞き、胸騒ぎを感じながら來は急いで来た道を帰る。




空間接続点には既に数人が輪を成していた。

その中心にはあの3人

「あいつら…」

「お前の知り合いか?」

來の言葉を聞いた隣の男が尋ねる。

彼は幾度か共に任務に就いたことのある人物・清洋

「…知り合いという程の者たちではありません。」

あくまで冷静を装う。

「あの者たちが侵入者ですか?」

「そうだ。あの3人を組織に入れても良いのだが、拒んでいるようだな。」

3人の方を見たまま、清洋は答える。