氷を置き去りにした後、2人は散々歩き回りようやく街外れで來奈を見つけた。
彼女の赤みかかった黒髪は、漆黒の髪へと変化していた。
そして瞳も感情を押し殺した冷たい瞳へと―
その様子を見て弥那は先程氷と話した‘來’の事を思い出していた。
彼女と初めて会ったのは7年前
10歳の時だ
その日はちょうど街の祭りの日で、弥那も隼人や他の仲間と遊びに出かけていた。
街中の明かりがつけられ、夜なのにとても明るかった。
その中を行く黒い集団が一つ。
彼等が行く方向は自然と道か開けていく。
それが哀哭溜の集団だという事は誰もが知っている。
弥那ももちろん知っていたが実際に見たのは初めてで、大きな恐怖を感じていた。
隼人たちとはぐれてしまった彼女が固まりつつも後ずさりをしていると、後ろにいた誰かとぶつかり尻餅をついた。
「大丈夫?」
目の前に差し伸べられた誰かの手
その手の持ち主は弥那と同じ位で、あの集団の様に黒い服を纏った少女
しかし彼等とは違い、冷たさの中にも柔らかな表情を持っていた。
「気を付けなよ。」
弥那がその少女の手につかまり立つと、彼女が小さな声でそう呟くのを聞いた。
彼女の赤みかかった黒髪は、漆黒の髪へと変化していた。
そして瞳も感情を押し殺した冷たい瞳へと―
その様子を見て弥那は先程氷と話した‘來’の事を思い出していた。
彼女と初めて会ったのは7年前
10歳の時だ
その日はちょうど街の祭りの日で、弥那も隼人や他の仲間と遊びに出かけていた。
街中の明かりがつけられ、夜なのにとても明るかった。
その中を行く黒い集団が一つ。
彼等が行く方向は自然と道か開けていく。
それが哀哭溜の集団だという事は誰もが知っている。
弥那ももちろん知っていたが実際に見たのは初めてで、大きな恐怖を感じていた。
隼人たちとはぐれてしまった彼女が固まりつつも後ずさりをしていると、後ろにいた誰かとぶつかり尻餅をついた。
「大丈夫?」
目の前に差し伸べられた誰かの手
その手の持ち主は弥那と同じ位で、あの集団の様に黒い服を纏った少女
しかし彼等とは違い、冷たさの中にも柔らかな表情を持っていた。
「気を付けなよ。」
弥那がその少女の手につかまり立つと、彼女が小さな声でそう呟くのを聞いた。


