Genius~守り人~

そう言うと、弥那は走り出した。

そして、隼人に追い付くと耳元で何かを呟く。

「OK!!

“三重結界《ソル=ウェル》”!!!」

隼人が叫ぶと氷の足元が光り、彼を中心として半透明の円柱型の壁が現れた。

「しまった!」

氷は悔しそうに壁を叩いたがびくともしない。

「うまく出来て良かった。

急に言うんだからさ…」

「いいの、いいの。

気にしない、気にしない。」

ポンッと隼人の肩を叩き弥那はニッコリと笑う。

「急ご!早くしなきゃ!!來奈何処に行ったか分かんないんだし。」

クルリと向きを変え2人は駆け出す。

「おいっ!こら待てーーー!!!!!」

氷は思いきり叫んだが、その声は2人の耳に届かなかった。