Genius~守り人~

「弥那、隼人に來奈の事言ったか?」

声を抑えて氷が弥那に尋ねる。

「ううん、言ってない…言えるわけないよ。

哀哭溜にいるって事は…

來奈も言わないで欲しいって言ってたしね。

それに、そう言われてなくても…ね…」

目を伏せる弥那。

「そうだよな……

隼人も、もし知ってるならあんなには言わないだろうし。




…弥那、今日のところはやめとけ、後をつけるのは。」

「どうして?」

「どうしても…だ。

あぶ………」

口を滑らしそうになり、慌てて口を塞ぐ。

「何?」

そんな氷を弥那は見上げる。

「まっいいや。でも今日はやめないよ。

さっきの來奈、いつもと様子違ってた。

もしかして、今日何か指令受けてるんじゃないかな…

私達と別れた後、“人格変化”で‘來’になってたみたいだった。

もし指令受けてるんだったら、私、來奈を止めたい。

もうこれ以上來奈の手を汚させたくはないの!」