「大丈夫、來奈は絶対に戻ってくる。

どんな事があっても…

今までもそうだったじゃないか。

だから、信じて待とう…」

納得しきれていない氷の言葉を遮り、護は続ける。

「とにかく、絶対に行ってはダメだ。

來奈は今までこの国の人達にしてきた事を償うため、命をかけて哀哭溜を倒すつもりなんだ。

だから…」


バンッッ!


大きな音を立てて氷は家の扉を閉めて出ていった。

「ったく…バカだな……氷も…僕も……」

独り残された家の中で護は呟いた。