「だからって何も言わずに行くことはねぇじゃん。」

「言えば、意地でもついてくるって思ったんだよ。

僕も氷もそういうトコあるからね。」

護は少し困った様な表情になる。

「お前はアイツの事心配じゃねぇのか?」

「僕だって心配してる…仲間なんだから当然さ…


…これは來奈自身が決めた事。

僕らがそれを邪魔する訳にはいかない…

だから、來奈が協力を求めない限り僕らは何もできないんだ…」

椅子の背もたれに身を預け、護は目を伏せる。

その表情はどことなく悲しそうだ。


「…僕らが一緒に行けば、來奈は最大の力を出すことをためらってしまう。

それが彼女を殺してしまうことになりかねない。

それに僕らの身も危険になる。

四神が一気にいなくなったらどうなる?

青竜もまだみつかって無いんだ。

こんな時に言う事ではないけど…この世界は崩壊してしまうんだよ。

それもあるから行けないんだ…

その辺もしっかり來奈も理解しているから言わなかったんだよ。」

「けど……」

氷は視線を落とした。