「行くって何処に行くつもりだ?
何時もなら『帰る』とか言うのに。
その前に、今日のアイツいつもと様子が違った様な…」
來奈が出ていった後、氷はソファーに座り直し腕組をする。
「氷、君は分からなかったのかい?
來奈がこれから何かをしようとしている事に…」
先ほどまでの笑顔が嘘の様に消え、護は無表情で口を開く。
「何かって何だよ。」
氷は身を乗り出して尋ねる。
「償いを…來奈自身のケジメをつけるって事だよ。」
「どういうことだ?」
「この前、哀哭溜抹殺の許可を申請したって言ってたの覚えてる?
今日その許可が下りたらしい。
その事で内裏に呼ばれてたんだよ。
帰りに祐と話してたの聞いたんだ…」
「ハァ!? だったらなんで俺らに何も言わねぇんだよ!」
バンッ、と机を叩き怒鳴る氷。
「僕にキレられても困る。
…來奈は僕らを巻き込みたくないって思ってるんだよ。
7年前の秋穂の事件、引きずってたからさ…
『自分を哀哭溜から抜けさせるために大怪我をして力もほとんど失ってしまった。
…自分のせいだ…』って…
何度も言ってた。
彼女の周りで死んで行った人たち…來奈はそれも自分のせいだって思い込んでる
だから自分一人の力で遂行しようとしているんだよ。」
何時もなら『帰る』とか言うのに。
その前に、今日のアイツいつもと様子が違った様な…」
來奈が出ていった後、氷はソファーに座り直し腕組をする。
「氷、君は分からなかったのかい?
來奈がこれから何かをしようとしている事に…」
先ほどまでの笑顔が嘘の様に消え、護は無表情で口を開く。
「何かって何だよ。」
氷は身を乗り出して尋ねる。
「償いを…來奈自身のケジメをつけるって事だよ。」
「どういうことだ?」
「この前、哀哭溜抹殺の許可を申請したって言ってたの覚えてる?
今日その許可が下りたらしい。
その事で内裏に呼ばれてたんだよ。
帰りに祐と話してたの聞いたんだ…」
「ハァ!? だったらなんで俺らに何も言わねぇんだよ!」
バンッ、と机を叩き怒鳴る氷。
「僕にキレられても困る。
…來奈は僕らを巻き込みたくないって思ってるんだよ。
7年前の秋穂の事件、引きずってたからさ…
『自分を哀哭溜から抜けさせるために大怪我をして力もほとんど失ってしまった。
…自分のせいだ…』って…
何度も言ってた。
彼女の周りで死んで行った人たち…來奈はそれも自分のせいだって思い込んでる
だから自分一人の力で遂行しようとしているんだよ。」


