― …そんなコト言ってられっか…
“朱雀・魂の解放”
朱雀を中心として赤い波動が辺りに広がる。
そしてそれから生じた幾つもの三日月型の刃が哀哭溜の組員のみを消していく。
「ハァ……ハァ……クソッ……」
一度に大量の霊力と共に体力を消費した為息が上がる。
― …まだ…まだだ……
倒したばかりにもかかわらず、また敵はやって来る。
朱雀自身を取り巻く風の壁は切りかかる者たちを巻き込み、空高く吹き飛ばしていく。
この壁は普通の組員には破られない。
しかし、今の壁はセブンス以上の力を持つ者なら……
背後から殺気に似た気配が流れてくる。
ギン
振り下ろされた短刀はいとも簡単に風の壁を切り裂き、赤い霊剣によって止められた。
相手を目にし朱雀は目を見開いた。
目の前に立つヒトは沙柚
「あなたが、朱雀?」
ハチミツ色の瞳の視線が朱雀に注がれる。
「当たりみたいね。」
沙柚は僅かに笑みを浮かべる。
「…私は哀哭溜・セブンスの立花 沙柚。
朱雀、あなたに訊きたいことがある。」
圧される刃の力が弱くなる


