その中に立つ來奈


炎を纏った霊剣を手に襲いくるヒトを薙ぎ払っていた。


倒しても倒しても絶えることのない虚ろな目をしたヒトたち


中には自我を持つ者もいたが彼女にかなうはずもなく倒れていく。


― 潜んでやがったのか…


ワインレッドになった瞳は忙しなく動き続ける。


― クソッ…白虎と玄武はどこだ…


2人が闘う気配を感じることは出来るが、位置までは掴めない。


「チッ…キリがねぇ…」


背後の敵を払い小さく舌打ちをした。


正面で内裏の隊員を倒したヒトと目が合う。


その後ろには向こうの加勢













『闘いで“魂の解放<サムナバレ>”はまだ使ってはいけないよ。』

護の言葉がよぎる。

『君は確かに朱雀だ。
でもね、まだ來奈は目覚めたばかりで朱雀自身の力を受け止めるだけの器は出来てないんだよ。
器が出来ていなければ、身体に負担が掛かって解放の後には反動(リバウンド)で動けなくなってしまう。
それが闘いの最中ならどうする?』