再び視線を進行方向に向ける。





ふと視界の端に一人の少女が目に入った。


転けてしまったのか、地べたに座ったままこちらを見ている。


自分と同じ年頃


彼女を見た來は何かを感じていた。


どこか知っているような

そんな気配




いつの間にか止まっていた脚が少女へと向かう。


“人格変化”も解けていた






「大丈夫?」


俯いた少女に手を差し伸べる。


何も答えず來を見上げた彼女のライトブラウンの瞳は震えている。


「…ありがとう…」


かすれた小さな声が聞こえた。


握られた手を引く


「気を付けなよ。」


小さな声で呟いた。


「來、何をしている。早く来い。」


最後尾を行く清洋の声が聞こえる。


「…はい。」


そう答え再び少女に目を向ける。





この子はココにいてはいけない




「…それから…速くココを離れな…」


それだけ伝えると來奈は元いた集団へと向かった。



“人格変化・來”