Genius~守り人~


來奈に注がれる真剣な眼差し




偽りの無い…真っ直ぐな……







「……いい…のか…?」


來奈はゆっくりと口を開いた。


「いいのか?オレで…
…オレはあの哀哭溜の幹部……だ……
…裏切るかもしれないって…思わないのか…?
……それでも……」

胸の前に置かれた手が震える。



どうしてだろう


なぜ……?






「確かにその考えがなかったと言えば嘘になる。
しかし、その気があるならばとっくに私の首は飛んでいる筈……ここに入った時貴女の殺気は無かったしね。
それに、私たちは決めていたのだよ。
『朱雀を信じる』と」







…信じる………



久しぶりに他人から聞く言葉






…そうか……この手の震えは………







嬉しいから……






あのヒト…達から信じるという気持ちが…伝わってきていたがら…









これが……嬉しい……という感覚……