門を出た來奈は足を止める。

高台に建つ内裏からは国の街並みが一望出来る。

街の建物達は、高床式の内裏の建物とは違い石造りが主。

『変な街』

彼女は初めてここから街並みを見たときそう感じた。

『別にこんな街、どうなってもいい…』

哀哭溜から遠ざかり始めてまだ間もない頃。

まだ微かに彼女の心に奴らの植え付けた闇が残っていた頃…


でも今は違う。


この見慣れた街を…街に住む人々を守りたい。

もう誰も傷付かないように、


オレは朱雀としての使命を果たす。



來奈は再び歩き始めた。