「まっ…まぁそれはおいといて、
…來奈…前から聞こうと思ってたんだけどさ…、哀哭溜の本部は何処にあるんだ?」

「本部の場所…か…?
…本部は…異空間にあるんだ。」

真剣な目差しの裕の問に、答えても良いものかと迷いながらも來奈は答える。

「異空間?」

「あぁ。
ウルトでもなく、葦原でもない別の空間。
その空間の入り口は哀哭溜の組員しか知らない。」

うつむき加減で、裕の隣に座る。

「それって何処なんだ?」

裕はそんな彼女の顔をのぞき込む。

「…場所は教えない。
教えればお前は絶対に援軍寄越すだろ?
まぁ、数時間経って爆発が起きた所が入り口だと思ってくれればいい。
その後の処理は頼んだ。」

來奈の真剣な瞳に、ただ「分かった」と答えるしかなかった。