目が覚めると來は隣に座る草火の肩にもたれかかっていた。

「よく寝てたわね。」

ソファーに座り直していると草火は笑顔で声をかける。

いくつかの古ぼけたソファーと机、浄水機が置かれた広いとも言えない程の部屋。

離れた場所にある灰皿の周辺には数人の男たちがたむろしている。

いずれも書類の写真で見た顔だ。


ときどき流れてくるタバコの煙が臭い。





「どれくらい寝てました?」


「うーん…30分位かしら?」


壁に頭をつけていると小さな振動が伝わってくる。


「試合の方は?」


「一回戦の最終組がやってるわ。」


「そうですか。」


フゥと息をつく。