Genius~守り人~

「さて、全員揃った事ですし、行きましょう。」

辺りを見回し列火は口を開いた。

「待って。一人足りないわよ。」

陽との接続点に向かおうとする列火を草火が止める。

「待たないの?」

「あの男は来ない。」

「どうして?」

「アイツは裏切り者だ。」

列火はそれだけ答え灯りの下から姿を消した。

言葉の続きは言われなくても分かる。





裏切り者と分かればその場で始末される。



逃げようとしても無駄




哀哭溜から逃れることは出来ない。











「何をしているのです?行きますよ。」


闇の中から列火の声がする。


一団はゆっくりと動き始めた。