「…ま…間に合った…」

清洋が広場に戻ってきたのは集合時間の一分前。

「何をしていた。もっと早く来れないのか。」

年配の男が不機嫌そうな顔を清洋に向ける。

「…清洋さんはちゃんと来ていましたよ。」

來が口を開く。

「ほぅ。」

「來…」

「何も考えず黒服で一時間も前に、ですけど。」

「そんな事だろうと思った。」

ふんっとその男は鼻で笑う。


「…來…」

「怒ってるのですか?
私は事実を言ったまでです。」

それだけ言って來はそっぽを向く。

清洋はがっくりと肩を落とした。