Genius~守り人~

ふと目が覚める


視線の先にはいつもの暗い天井



― 夢か…


ゆっくりと起き上がる。


じっとりとかいた汗





小さな机の上に置かれたデジタル時計は皐月・6日を指し示す。


時間は午前6時






帝暗殺計画実行の日


洗面所へ向かい顔を洗う。





黒いけど僅かに赤みがさした瞳


背中の中程まである長い髪





タオルを握る手が震える






「これでいいのか?」


鏡に映った自分に問い掛ける。



……




……




― …いいんだ…
全ての悲劇を引き起こした元凶・狂帝を消すのだから。




自分にそう言い聞かせる。



髪を高く結い上げ洗面所を後にする。