「…草火さんはここに来る前の記憶有るんですよね…?」
來が重く口を開いた。
「あるわよ?」
草火は首を傾げる。
「前にもお話しましまよね?
…私の記憶は無いに等しくて、ただ顔が思い出せない姉が目の前で死んでいった事位なんです。
でも、もしかしたらその記憶の中に御前の言葉の意味や夢に関することがあるのかもしれないって…」
「…」
床に視線を落とす來を見て、草火が浮かべていた優しい笑みに僅かに悲しみが浮かぶ。
「…なんて…おかしいですよね…ただの夢に…御前の言葉を気にするだなんて…」
揺れている
感情を失った筈の少女の心がけ揺れている。
「そんなコトないわ。
それが普通のヒトってことよ。」
「…普通の人間…か…」
來は小さく息を吐く。
「もう來ってば暗いわよ!
明るく明るく♪」
重い空気を振り払うように來の頬を軽くつまみ持ち上げる。
「…イハイれふ…」
「あら、ごめんなさい。」
草火は手を離す。
「ありがとうございます。草火さん。」
來が頬を摩りながら黒い瞳を向けると草火は再びにっこりと笑った。
「さて、始めましょうか。」
草火が傍らの封筒を取り出す。
「はい。」
來が重く口を開いた。
「あるわよ?」
草火は首を傾げる。
「前にもお話しましまよね?
…私の記憶は無いに等しくて、ただ顔が思い出せない姉が目の前で死んでいった事位なんです。
でも、もしかしたらその記憶の中に御前の言葉の意味や夢に関することがあるのかもしれないって…」
「…」
床に視線を落とす來を見て、草火が浮かべていた優しい笑みに僅かに悲しみが浮かぶ。
「…なんて…おかしいですよね…ただの夢に…御前の言葉を気にするだなんて…」
揺れている
感情を失った筈の少女の心がけ揺れている。
「そんなコトないわ。
それが普通のヒトってことよ。」
「…普通の人間…か…」
來は小さく息を吐く。
「もう來ってば暗いわよ!
明るく明るく♪」
重い空気を振り払うように來の頬を軽くつまみ持ち上げる。
「…イハイれふ…」
「あら、ごめんなさい。」
草火は手を離す。
「ありがとうございます。草火さん。」
來が頬を摩りながら黒い瞳を向けると草火は再びにっこりと笑った。
「さて、始めましょうか。」
草火が傍らの封筒を取り出す。
「はい。」


