「そうだわ來、あなたはこのあと何か用事あるかしら?」

「いえ…何もありませんけど…?」

來は笑顔の草火を見上げる。

「なら、二人で対策でも立てない?」

そう言って自分の手に持つ封筒を示す。

「いいですよ。」

「じゃ決まりね。行きましょ。」

二人揃って扉に向かって歩いて行く。



「來、御前様がお呼びだ。こちらへ。」

先ほど出て行った列火が彼女を呼び止め奥の扉に招く。

「…はい…。
草火さん先に戻っていて下さい。」

返事をした後草火を見上げる。

草火は「分かったわ」とにっこり頷いて手を掛けていた扉を開いて出て行った。

來も列火のあとについて御前の間を後にした。