voice=kiss






「ついた!!」


屋上の前の扉で、やっと手が離される。


「ついたって…授業はどうすんの?」


そう聞いてみると…



「授業?いいよそんなの。今日はどうせ変な手紙配って終わりだろ?」


と楽観的で羨ましい答えが返ってきた。

私もそんだけポジティブならなぁ…。


「明日からちゃんとやればいいじゃん?」


そう言う笑顔がやけに憎たらしく見えた。


「はぁ~」


思わずため息。


「溜息なんかついてちゃって…そんなに嫌?」


「嫌だけど、もう取り返しがつかないからいい」


「そっか」


もうクラスでの浮くことと、担任から目をつけられるのは決定してしまった。

取り返しがつかないなら、とりあえず藤枝に従おう。