「みんなに知らせないと!!」
藤枝は興奮したように私の手を握って無理やり立ち上がらせた。
「ちょっ何?みんなって誰?」
「バンドのみんなだよ!!多分屋上にいるからさ」
そう言って私の手を、その背丈だけでは想像もつかないような力でぐいぐいとひっぱって行く。
「ちょっ…屋上って…」
「いいから、来て!!」
無理やり手を引かれて、教室から連れ出される。
んな急に連れ出されましても…。
その強引さに若干驚きながら、ただでさえクラスで浮いている私と藤枝が抜け出したことで変な噂が立たなければいいが…と頭の隅に不安を抱えた。


