「迷惑だったか?」
不安そうに聞いてくる藤枝の表情が可愛くて思わず笑ってしまう。
同級生っていうより弟みたいだ。
「いやっ私も、ロック好きだし…嬉しい」
「本当か?よかった!!」
「はは…あんたなんか可愛いね」
「えっ俺が?もしかして身長のこと言ってる?」
可愛いとはいい慣れているのか、ちょっとムスッとする藤枝。
「身長とかじゃなくて、なんか…可愛いなと思ってさ」
「可愛いってよく言われるけどさぁ…俺ってそんな可愛い?」
「なんか弟みたいで可愛いんじゃん?」
「っ…弟って」
拗ねたようにほっぺを膨らますのはおそらく無意識だろう。
そのしぐさはとても高校生とは見えない。


