「それで?何か用?」
若干冷たく聞く。
これが私の性格だからしかたない。
もともと、明るくないし初対面でもなんでも、冷めた話し方をしてしまう。
藤枝もその質問に少し戸惑うような表情をとった。
私に迷惑がられていると思ったのかもしれない。
「いや…さっきロック好きって言ったから」
語尾を小さくしながらそう呟く藤枝
「ロック?」
「うん、俺バンド組んでるんだけど…」
「うん」
「ロックバンド好きってあんま見ねぇからびっくりして」
あぁ、だからさっき自己紹介の時にあんな顔してたのか。
「それで話しかけたんだ…」
「そう」
それにしても、私の反応の冷たさに怯えてる藤枝は、母親に叱られた子供みたいでかわいい。
童顔だからかもしれないが、いじめたくなるような可愛さだ。


