「ちょっとー!」 そういって走ってきたのは結崎 俺を必死に探していた様子だった 俺の腕にしがみついて完璧に怒っていた 「ごめ…」 木の陰から出て手前にある大きな木に目が奪われた 蜂蜜色をした長い髪の毛の女の子 ケータイを両手で握り締めていた 俺は手にもっていたままのケータイを落としてしまった 「奏…」 そこに涙を流しながらケータイを握り締めていたのは 間違えなく海だったから