☆オカマに恋した☆

「先輩をカットしてる時とは、違うんですね」




 そう、先輩をカットしてる時は、賑やかでヘアーショウみたいだった。



「そうね、広ちゃんの場合は、ああいう接客が好きそうだな。



って思ったの。



だから、思いっきりテンション上げて接客してた。



でもね、あなたの場合は違う気がするのよね。




そうそう、お名前は?」



 京ちゃんは、見た目は九割男の人なんだ。




でも、話をしていたり、しなやかな仕草を見ると女性らしさを感じる。





「遥です。市川遥」



「いいわねぇ、女の子らしい。



私なんか、本名京造よ。




もっといい名前が良かったわ」



 愛から聞いてたものの、鏡に写る京ちゃんを見ると、やっぱり笑える。




「その笑顔、いいわね。



やっぱり女の子は笑ってなくちゃ」



 その京ちゃんの口調は、私の心にすっとなじんでいった。