クルクルと回転するイスに座り、京ちゃんは私の髪を切り始めた。
バサッと勢い良く、床へと散っていく私の髪の毛を眺めていると、何だか切なくなる。
同時に、どんな風になってしまうのかが、不安になったりする。
さっき説明してくれた、雑誌のモデルさんは、かわいいからいい。
私に本当に、似合うのかな?
しかし京ちゃんの、髪の毛を留める仕草も、髪に触れる指もすごく優しい。
まるで、髪の毛一本一本までもを、大事にいたわってくれてるみたいに思える。
そして、リズミカルに安定したハサミの開閉する音が響いている。
こんな時、美容師さんの性格が出ると思う。
だんだん、不安は薄れていった。



