隣で愛は、それを慎重に聞き入ってた。




「まーちゃんね、いつも彼氏の自慢してた。



いつもどんな時も、守ってくれるたくましい腕に幸せを感じるって言ってた。



それと、空手の道着を着ると、別人のようにカッコよくなること。



不器用な優しさ…。



愛の話たくさんしてた。


だからまーちゃんは、オカマになるのなんか、望んでないよ!!



だってまーちゃんは、男の子だった愛が好きだったんだよ!」



 私は必死に伝えた。





 その言葉に、愛は全身の力が抜けたように倒れ込んだ。





 私はもしかしたら、余計なことを言ってしまったのかもしれない。





 ただただ、立ち尽くしていると…愛は校舎へと走っていってしまった。





今にも泣いてしまいそうな、怒っているような複雑な表情をしてた。