生徒手帳を元の場所へと戻し、私は駆け出していた。 夢中で階段を駆け降り、廊下で人とぶつかりそうになりながらも、とにかく走った。 苦しい… 今、この現実から逃げ出したい…。 可奈さんから話としては、聞いた。 愛の支えになりたい。 その言葉に間違いはない…。 だけどまだ私は、ちゃんと受け止めてなかった。 ちゃんと心の底から、理解できていなかった…