愛が遠くへ行ったことを確認すると、可奈さんは話始めた。
「二人はいつも笑ってて、幸せそうなカップルだった。
だけど、ある事件がきっかけとなって、真奈美は自殺したの」
「事件って?」
「真奈美には、ストーカーがいたの。
当時犯人は、十三歳で真奈美達と同い年だった。
駅で偶然彼女を見かけて、好意を抱くようになって、つけ回すようになったらしいの
そいつに、真奈美はレイプされて。
そのショックに耐えられなくて、彼女は飛び降り自殺をしたの。
しかも愛に、そのことを打ち明けずに…
いや、言えなかったんでしょうね。
その後愛は、彼女の友人を問い詰めて、一部始終聞き出して、何日も現場に張り込んで、ようやく犯人を探しあてたの。
でも偶然にも、愛が復讐しようとした時にはもう…
そいつは火事で、焼け死んでた。
犯人の家族も全員。
愛はやり切れなかったんでしょうね。
何を恨んだらいいのかも、わからなくなってて。
自分を責めることしか、出来なくなってたみたい」
可奈さんは、潤んだ瞳で言った。



