陸上部の部室の近くで、待ち伏せすることにした。
先輩は制服に着替え、近寄ってきてこう言った。
「わりぃ、わりぃ!
すまんね、いつもいつも」
普段よりちょっと、テンション高い。
スポーツバッグと、今日プレゼントされた、可愛らしい紙袋を持っている。
「今日は、かなり収穫多かったみたいですね!」
立ち止まったまま、私は微笑んで言った。
「何かね、今年はいつもよりももらったね」
ちょっと照れてる様子で先輩は言った。
そう、先輩には、本命でチョコをくれる女の子が何人もいるんだ。
だから、私が振ってもすぐに新しい彼女ができるはず。



