そんなことを考えながら、教室へとたどり着いた。
すると、床に座り込む唯の姿が目に入った。
すごく、甘い匂いがする。
唯の後ろには、見覚えのある紙袋と、粉々にひきちぎられた、鮮やかな赤い紙くずが床に散乱している…。
「唯?」
私はそう、呼びかけた。
唯の姿が正面から、はっきり見える場所までやってきた、その時だった。
風がカーテンをなびかせ、真っ赤な紙吹雪が舞い上がった。
そして見ちゃったんだ……
振り向いた唯の口の周りには、濃い緑の粉末がついてた。
私は、これは夢なんじゃないか?
って一瞬思った。
むしろ、夢であってほしい。
でも何度目を凝らして見ても、唯だ…。



