☆オカマに恋した☆






 放課後私は、こんな日に限って、トイレの掃除当番だった。




掃除を終えて、教室へと向かった。





 途中で帰り支度をした、愛とカトゥの姿が目に入った。





 愛は一瞬私の方を見たけど、すぐに目を反らした。




「バイバイ」



 私はつぶやくように、すれ違い様に言った。






 重たい空気に押し流されて、言葉が宙をさまよい消えてしまいそうだった。




「バイバイ」



 カトゥがそっと、つぶやいた。





 愛は固く唇を結んだまま、去っていった。





 その冷たい背中を、私は振り返り見つめていた…。




愛の姿が、昇降口に消えるまでずっと。