☆オカマに恋した☆






 しばらくして愛は、目を覚まし私が近くにいるのに気がつくと、体を起こし急いで涙をぬぐった。




「あっ、雨降りそうだね…」



 愛は空を、何かを想っているような、切なそうな表情で見つめている。




こんな表情をする愛を、初めて見た。




「ねぇ…真奈美って…誰?」



 私は真っ直ぐに、愛の正面に座って言った。





「誰でもないよ」



 愛はすぐに、目を反らして言った。