☆オカマに恋した☆

「あっ、制服平気だった?」



 急に我に返ったように、愛は言った。



「うん、乾けば何てことなかったよ」



「すまないわね。



わざわざ」



 そう言い、すっと受け取った。




「そうそう、スタイリング…



もっとトップをフワッとさせた方がいいと思うの」



 愛は胸ポケットから、鏡を取り出して、私の髪を動かした。



「ここをこうね…」



 愛の手は優しい。



愛の手にかかると、魔法がかかったみたいに変化する。




いつか、いつか…この手に触れられたらいいのに…




大きくて、すっと指も長い。




「すごいね!」




「ワックスは、何回手を入れても、復活するからさ!!」



 すっごい、ドキドキした!!



そうだった、京ちゃんが崩れてきたら直してね!



って言ってた。




「じゃあね〜」



 手を振り、待っていてくれてる唯のところへと戻っていった。