゛だから゛の後は゛いいんです゛という断りの言葉が続くことが分かったから、彼女の言葉を遮る。


「すぐ克服できるなんて思ってない。苦手なことができるようになるのは大変だからね。
でも君自身、克服するのは無理じゃないと思ってるんだろう?なら、僕は付き合うよ。いくらでも付き合うよ。
だから、遠慮はいらないんだ」


 しばらくの逡巡後、


「――はい」


と小さくではあるけれど答えてくれた。


「――じゃ、早速練習しようか」

「えっ……!?」

「まずは僕を見てみようか」

「え!?そんな急に……っ!」

「大丈夫。君がいいって言うまで、僕は目を閉じてるよ。だから、君の目に僕を映してみようか」