本部に戻ると清と水希と皇紀の姿しか見当たらなかった。
無線を聞いて水希と皇紀が清を本部にまで運んだようだ。

「お兄ちゃん!薫!」

清は水希の治療が終わっているようで血は止まっていた。

「騎士は全員会議室に。いいな。」

水希の頭に1度手を乗せたがすぐに俺を背負ったまま会議室に向かう。

途中アリアの部屋の前を通ると中からもの凄い物音が聞こえてきた。
おもわず俺と零は顔を合わせた。

零は静かに俺を下ろして銃器を構えた。

物音は静まるどころか酷くなるばかりだった。

ドアノブをゆっくりまわし、零は中に勢いよく入る。

「んーんっ!!!」

「やられたか。」

部屋の中には口を猿轡で止められ手錠と鎖で縛られてるアリアとマリアの姿があった。

「んんっんーんーんん!!!」

「少し落ち着いてくれ!今解くから。」

零は銃器をしまい鎖と手錠の鍵を解く。
自由になった自身の手で2人は猿轡を解き、マリアとアリアは零に向かって同時に一緒の言葉を発した。

「沙羅が私たちを裏切った!」

「知ってる…さっき沙羅に騙されて道化にかけらをとられてしまったから…」

「薫、もういいから。」

俺の言葉に零はすぐさまかばってくれる。
その優しさが辛い、この人を不利にしてしまう状態にさせてしまったことが悔しい。

「沙羅は?捕まえた?」

マリアは俺たちの周りを一度見渡した。

「処分した」

零はあっさりと答えて、アリアもマリアも直ぐには反応をしなかった。

「どういうこと?」

「俺が殺した。裏切りものとしてな」

2人もあのときの俺のように沙羅に裏切られたことに悔しさがありながらも殺されたことを認めることが出来てない。

「そう…」

最初に声に出したのはアリアだった。

「今から会議室に騎士は集合だ」

零はそれだけを伝えて再び俺の前にしゃがんだ。

「乗れ」

「ありがとう」

俺は零の背に乗った。