「零…どういうこと…」

俺は涙を零に見られないように背中を向けて話しかけた。

「沙羅が説明したように、本当は凛の妖力のかけらは盗まれてなんかいなかった。そしてそれを俺と清が護り、アリアがそれをさらに隠してた。あいにくかけらは奪われてしまったけど、裏切り者を排除できたし、プラマイゼロだ。薫、そんな落ち込むな。かけらのことは怒っていないさ。」

零は一気に説明してくれた。

俺は下唇をかみ締めた。
けれどそんなことをしても涙は止まらなくて、しばらく俺は立てなかった。

「薫、帰ろう。」

零は俺の前にしゃがんだ。

俺はその背中に乗ってしっかりと零にしがみついた。

「ごめん、零…」

「いいよ。よくやったな」

零は俺を一度も攻めずに本部に向かってくれた。

俺が沙羅をもっと疑っていればかけらを奪われることがなかった。
そんな悔しさから涙は流れる。

沙羅に裏切られたこと、沙羅の亡骸を目の当たりにしたこと、仲間が仲間だと思っていたやつを殺すところを見たこと

頭の中でいろんな悔しさや悲しみが涙となって溢れ出た。

「どうして…どうしてだよ…!!沙羅ぁ…!!!!」

言葉となって溢れた。
けれど零は何も言わずに俺を背負って歩く。

時折俺の頭にコツンと零は頭を当ててくる。










それが、嬉しかった。





誰かが傍にいると感じれて嬉しかった…