森をがむしゃらに走っていると木の根っこに引っかかった。

肩に受けた銃弾の傷口が振動で痛みが体中に響いた。

目の前に誰かいるのがわかった。

道化のやつか…もう追いつかれたか…

「清?!」

俺を呼ぶ声が聞こえるとそいつは俺を抱き上げ、止血を始めた。

目を開けるとそいつは薫だった。

「か、おりか?…俺のことはいいから…早くこれをもって逃げろ…」

そういって俺は手に持っていたものを薫に渡す。

薫はいろいろと聞きたいことが多いと思うだろうけど、今はこれを道化から遠ざけないと…。

薫もわかってくれたようで俺を置いて走り出した。

「くそ…邪気のせいか?」

ガサガサ__

木々のところから2人が出てきた。

「追いついた…あれ?こいつ持ってないぜ、クラブ」

「このコートは止血か?ってことは…スペード後始末頼む」

「あいあいさー」

「行かせるかよ…!」

力いっぱいに小刀を投げ、まっすぐに剣はクラブとスペードに飛ぶが2人も軽々とよけた。

「そんな弱った体で?甘く見すぎんなよ」

スペードが俺の肩に足を押し付けて銃口を脳天に向けてきた。

ずきずきと痛む。

「早く行け!こいつは俺が始末する」

「はいよ」

クラブが走り出してしまった____

零!!早く!!!

「さてと、本当はこんな胸糞悪いことしたくないんだがな。」

「俺の部下を離せよ」

カチャリと安全装置の外れる音が森に響き、スペードの足の力が弱まった。

「おー。意外と早かったんだな。」

スペードはくくくっと笑いを上げた。

顔を上げると目の前には零が銃口をスペードに突きつけてるところだった。