「うるさいよ。お前みたいなガラの悪いやつと話しながら食事しても楽しくないから薫ちゃんが俺と話してるんだよ。」

キトスさんはスタンさんの手をばしっと払い落とし、バチバチと火花を飛ばす。

「先輩たち、ここで喧嘩はやめてくださいね?」

にっこりとアリアがいうとキトスさんとスタンさんは苦笑いをしながら「ごめんな、キトス」、「いやいや、俺も悪かったよ、スタン」とお互いに謝り始めた。

現役の頃のストッパーがアリアだったのだろうな…と思いながら紅茶を飲む。

「全く。キトス先輩はお兄さんなんですからいちいちスタン先輩の喧嘩を買わないでくださいよ!」

アリアが注意をするとき俺はひとつの勘違いに気づく。

「え?キトスさんのほうがお兄さんなのですか?」

「ぷっ」

俺がそういうと一瞬の間がありその後にキトスさんとマリア、アリア、沙羅がいっせいに噴出し笑いをした。

スタンさんだけがむすっとした顔をしている。

「やっぱな!お前髭剃ったほうがいいって!完全にふけ顔だもん!」

キトスさんが腹を抱えて笑っているのが気に食わないのかスタンさんはさらにむすっとした顔になった。

「うっせーな。てめぇが童顔なだけだよ、キトス」

スタンさんは新しい煙草を箱から出して火をつけた。

「お嬢ちゃん、俺のほうがキトスより1歳年下だぜ。覚えときな」

「あ、すいませんでした…」

「ちょっとスタン先輩、薫悪くないんだから八つ当たりやめなよ!」

そう沙羅がいうとスタンさんは煙草の煙を吐き出しながら完全にそっぽを向いてしまった。

「って、薫ちゃん任務の時間じゃない?スタンのことは気にしないでいっておいで」

時間をみるとそろそろ交代の時間だった。
キトスさんが「いいからいいから」と言ってくれたので俺は先にお邪魔することにした。

「スタンさん、失礼しました。じゃ、任務にいってきます」

最後にスタンさんにお辞儀をしてからその場を離れようとした。

「いってらっしゃい」

そういって皆が俺を送り出してくれた。




また仕事が始まる。