「…夜か」

シャワーを浴びた後、俺はもう一度寝た。
今度は何も見なかった。
あの夢はきっと零に半妖のことを聞いて勝手にイメージしてしまったのだろう。
それにしてもリアルだった。


交代の時間。


ベッドから起き上がり、制服をきて、剣をもつ。

そして、戸締まりを確認してから任務に出る前にご飯を食べるつもりで食堂へと歩く。

食堂まで数メートルというところで笑い声が聞こえてきた。

食堂に入ると沙羅とマリア、アリアが普通の格好をした男2人と話をしていた。

1人は顎に髭を生やしていて歳は30代ぐらいだろうか?
青い瞳と髪は彼がミラ族だということを知らせている。

もう1人は先程の男と顔が似ているがこちらは髭を生やしていない。
きっと弟なのだろう。若い顔だ。

「今起きたの?おはよう」

「そうだよ、おはよう。えっとそちらは?」

俺が2人にお辞儀をすると手を軽く上げて挨拶を返してきた。

「こちらはキトス=シーイングさん、こちらはスタン=シーイングさん。」

髭のないほうがキトスさんで髭があるほうがスタンさんというらしい。

「私は古都薫と申します」

俺は自分の名前を名乗って手を差し延べた。

2人共軽く握手をして改めて挨拶をしてくれた。

どうやらヴィレたちのような人物ではなさそうだ。

「因みに元司令官と副司令官よ」

「もしかして零のひとつ前の司令官でしょうか?」

「そうだよ。君が薫ちゃんね。とっても可愛い女の子だ」

「おいおい、キトス。若者に手を出すなって。お嬢ちゃんが困ってんだろうが」

そういうスタンさんもお嬢ちゃんという呼び名はいけない気もするが…

けれど、久しぶりの女の子扱いについ顔が熱くなる。
女の子扱いなどあの日からされないと思っていたのに…

「薫ちゃん、今から任務なんでしょう?ご飯頼んできなよ」

キトスさんがにっこりと微笑みながら注文口を指差す。

「ありがとうございます」

一礼をしてから俺はその場をいったん離れた。

注文口で料理長にスパゲッティを注文するとすぐに料理を出してくれた。

料理の乗ったプレートを持って振り返るとスタンさんが手を振っているのが見えた。